前回投稿からの続き



それまでの私の車遍歴
唯一無二の1台

コミコミ13万円で買った
スズキ様の中古アルトだ。

そもそもニート期間工
車は必要ないが持論だった。

そんな俺がレクサスディーラーの前に呆然と立ちはだかっていた。

なぜレクサスだったのか?

今考えても深い理由がわからない。

高級車=レクサス

と単純に思ったのだろう。

今までの抑制期間工生活からのストレスと自身の劣等コンプレックスが合い重なり、

高級車に乗って優越感を味わいたかったのだ。


(成功しない人間の短絡的な発想)


なにせ3000万ある。

レクサスも余裕で新車購入できるだろう。

そんな溶々たる気持ちでエントランスをくぐった。

中では裕福そうな老夫婦や家族、意識高そうなエリートサラリーマン風の男、品のよさそうなカップルが車を内覧したり、商談していた。


「なにか御用でしょうか?」


いらっしゃいませ!という言葉を予想していたのだが、

現実はちがった

トイレでも借りに入ってきたホームレスかのような蔑んだ目で見られた。

たしかに客観的に見たら、首周りの黄ばんだシワだらけの白いカッターシャツに、色落ちしたヨレヨレのジーパン、足元は油で汚れた980円の仕事兼用スニーカーだった。

自分でいうのも恥ずかしいが、チビ、ハゲ、デブの目つきのヤバいおっさんが入ってきたのだから、

場には相当な違和感が漂ったのだろう。

お客様用駐車場を見たら、
レクサスアウディ、定番のメルセデス
それに見たこともないような高級車が鎮座していた。

バスを乗り継いで2時間
徒歩で来場した私は、

緊張からか、
かん高い声
一声を発した。

「クっ、車見せてもらいたいんですが。。」

「アポイントメントはいただいてますでしょうか?」

「アポポ? なっ、なんですか? 」

「ご予約ですよ。」

「いえ、車見るのに予約しないといけなかったんですか?」

「じゃあ今予約とらせてください。」

「当分予約がいっぱいなんで、年内はムリですねぇ。」



ムリですねぇ
ムリですねぇ
ムリですねぇ
ムリですねぇ
ムリですねぇ

頭の中でエコーした。

どう考えても試乗ならまだしも、車を見るだけに予約はいらないと思ったが、ショールームの中にいるみんながわたしのほうを見て、何か怪訝そうな顔をしていた。

ハゲ頭にジワっと脂汗わき出るのを感じた。

か細い声で、

「パ、パンフレットもらえますか?」

と言うのが精一杯だった。

「カタログですか? お待ちください。」



カタログを一部もらって、
その日はしっぽを丸めてディーラーを後にした。

敗北感
情けなさで、
脚は重く

目には涙
にじんでいた。


次の日

そのディーラーとは違う、
隣街のレクサスディーラー電話した。

「キャッシュ1000万以内でレクサス車の購入を検討しているものですが、来週日曜日にRXの内覧と試乗を予約できますか?」

(もらったカタログでレクサスRXに一目惚れして、あらかじめ目星をつけておいた。)

日時と連絡先を伝えて、

今度こそは。。と意気込んだ



当日

予約しておいたプリウスをオリックスレンタカーで借り、隣街までアクセルを踏んだ。

身なりはさらの全身ユニクロ

マネキンのフルコーデで臨んだ。


「いらっしゃいませ。」


「予約している とろ と申しますが。」




はたしてレクサス購入までいたるのか?

つづく


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